売れないバンドマン

売れないバンドマンが海外でライブツアーをする方法

 

ロクに国内もツアーしたことないけど、海外でツアーしたい!海外で売れてから日本で売れる、いわゆる逆輸入バンドになりたい!海外でライブってなんかしらんけど楽しそう!

 

  • でも、どうやってライブハウスをブッキングするの?
  • 費用は?ギャラは?結局儲かるの?
  • 日本でツアーしても大してお客さん入らないのに、海外でライブしても誰も来ないんじゃないの?
  • 英語しゃべれないけど大丈夫?
  • ビザは?外国人にモテるかなあ?などなど

 

ケン
売れないバンドマン歴20年、ヨーロッパ23公演オーストラリア8公演中国3公演ベトナム2公演、計36公演を行った僕が、売れないバンドマンが海外ツアーをする方法を解説していきます。

 

今後海外でライブしたい、という人達の参考になればいいと思い記事にしました。

 

海外でライブするメリットは?

 

ルイくん
なんでわざわざ海外でライブするの?日本でやっても全然お客さんが入らないのに...。

 

日本と海外のライブ事情の違いによるところが大きいのですが、海外でライブしたら思っているよりお客さんが入ります。むしろ日本でお客さんが入らないバンドなら、海外の方がお客さんが入ります。

 

日本と海外のライブ事情の違い

そもそものシステムの違い。日本では2~3000円のチケット代とドリンク代を払ってもらってライブを見に来てもらいます。しかも対バンはよくわからないバンド。これは見に来る方も誘う方も、心理的ハードルが高い。

一方海外では、我々売れないバンドマンがライブするとなった場合、バーやパブといった所でライブをします。なのでそのバーの常連客や近所のロック好きが自然と集まるのに加えて、ライブの入場料もビール一杯分程度のものなので、ちょっと興味があるくらいの人でも気軽に入れる環境が整っています。

ということなので、日本ではお客さん(友達)数人と出演者しかいないとこでライブしているようなバンドなら、確実に海外の方がお客さんが入ります。さらに、国民性の違いか、特に欧米人は自ら主体的に音楽を楽しみに来ているという意識があるらしく、各々自分なりのやり方で音楽を楽しみます。

早い話が何やってもわりと盛り上がります。こっちがイエーイといえば絶対イエーイと返ってきます。

演奏が上手いか下手とか、歌詞がどうとか、そんなことは大して気にしません。自分が楽しめるかどうか、強いて言うならノリが良いかとか、なんかコイツラ気合入ってるなとか、そういうところで評価している気がします。

日本でノルマを払ってお客さんのいない所で赤字のライブをするか、飛行機代払ってノリノリの外国人の前でライブをするか、可能性は常に開かれています。後者がいいという人は引き続きご覧ください。

 

マーケットの規模

そもそも海外と国内を分ける必要があるのかどうかという疑問は置いておいて、日本の人口は1億人ちょっと、世界全体で70億人以上。英語話者だけでも15億人とか言われているので、マーケットの規模を考えると、国外に目を向けて活動するメリットは言わずもがなというとこでしょう。

音楽は言語の壁を超えていきます。自国言語の音楽しか聴かないという人はもはや少数派ですし、YouTubeやSpotifyがあれば世界中に自分の音楽を届けることができますね。

 

楽しい

個人的にはこれが一番の理由ですが、単純に楽しいです。全然知らない土地に行って、言葉もうまく通じない中、音楽を通して現地の人々とつながる。その体験だけでもかけがえのないものだと思います。こちらの演奏に対するリアクションも全然ちがったりします。この曲でこんな風に乗れるんだ、というような、演者が想定していないような新たな発見もあります。

 

海外でライブするデメリットは?

一応デメリットも挙げておくと

入出国手続きやブッキングが面倒。

パスポート取ったり飛行機のチケットとったり、国によってはビザが必要だったり。海外旅行に慣れてない人には非常にめんどくさいかもしれません。

 

言葉が通じない。

当たり前ですが日本語は通じません。ある程度の英語力があった方がいいですが、英語さえ通じないとこもあったりするし、片言で充分なんとかなります。メンバーに一人くらい英語が得意な人がいればラッキーですね。

 

費用がかかる。

ツアーには費用がかかりますが、売れないバンドマンにとっては日本国内でのツアーでも同じこと。後で見ていきますが、普通に観光で旅行するよりかは全然安上がりだと思います。

 

オススメの国は?

ヨーロッパ

ヨーロッパ4か国とベトナム、中国、オーストラリアとライブした経験と、アメリカやイギリスでライブした人達の話を考慮しても、ヨーロッパのホスピタリティはピカイチです

基本賄い付きでビールは飲み放題、夜もパブのオーナーやイベント企画者の家に泊めてもらえる。その上きっちりギャラもでるし、物販が売れればそこそこの稼ぎにもなる。

アメリカやイギリスは国内外問わずライブしたい人がいっぱいやってくるので、もっと条件が厳しいという話をよく聞きます。

 

東南アジア

個人的に好きというのを差し引いても東南アジアも狙い目です。

物価が安いので収益は少なくなりますが、その分出費も減ります。飛行機代も安いし、時差もほとんど無いし。食べ物も割と日本人の口に合うんじゃないでしょうか。

海外のツアーバンドも日本の本数を減らして、あるいは日本に来ないで韓国やタイシンガポールなんかに行くようになりましたし、これからは日本のバンドも地方からわざわざ東京にでるくらいなら、アジアの国々へ行く方が面白いという風になっていくんじゃないかと思います。

僕はライブで行ったことはありませんが、韓国、台湾、タイなんかが良かったと聞きますね。

さて、行きたい国をある程度絞れたら早速ライブハウスをブッキングしていきましょう

 

ブッキングのやり方

まず海外でライブしようと思ってもどうやってブッキングすればいいのかわからないと思います。
そもそもどこにライブハウスがあるかわからないし、どうやってコンタクトを取ればいいいのかもさっぱりわかりません。英語も苦手だし。

ブッキングする方法は大きく分けてこの3パターン。

  • ツアーバンドを探す。
  • ブッキングエージェントを探す。
  • 現地で出たとこ勝負。

それでは順番に解説していきましょう。

 

1ツアーバンドを探す。

van

van

 

海外のツアーでは会場にアンプやドラムセットが置いてあることはまずないのでバンド側が用意しなければなりません。かといって日本からアンプやドラムセット、車などを持っていくのはコスト面を考えてもあまり現実的ではありません。そこで現地での機材や機材車の調達及び車の運転がネックとなります。

もしも一緒にツアーを回ってくれるバンドがいればその辺りの問題が一気に解決します。

SNSが発達した世の中です。音源を聞かせコンタクトを取り、一緒にツアーを回ってくれるようにけしかけてみましょう。仮に断られたとしても、協力してくれそうな人を紹介してくれるかもしれません。

自分たちと似たようなジャンルで現地で活動しているバンドと仲良くなりましょう。

その際にバンドのチョイスは真剣に行いましょう。あまりに人気のバンドは正直中々話に乗ってくれませんし、かといって音楽がカッコいいのにイマイチ売れてないバンドがいいかというとそうでもありません。

音楽がカッコいいのにイマイチ売れていないのは素行の悪さに原因があるのかもしれません。

そんなバンドと四六時中一緒にいることになると気がつけば酒やドラッグに溺れ、最早音楽は二の次三の次、挙句の果てに有り金を全て巻き上げられ、裸同然でとぼとぼと帰りの飛行機に乗り込むことになるかもしれません。

というのは冗談です。実際のところは行ってみないと何もわかりませんが、いままでそんな往年のロックスターみたいな人にはあったことがありません。

チャンスがあるなら一緒に回ってくれるだけラッキーと思ってチャレンジすればいいでしょう。

あとは日本でツアーしている海外のバンドと仲良くなるのもいいかもしれません。

そんなに有名でもないのに日本でツアーしている海外のバンドなんかいっぱいいます。

ライブハウスで海外のミュージシャンに酒でもおごって音源渡して

「あなたの国でツアーしたい」

と言えば十中八九かそれ以上

「いつでも来いよ、その時は俺に連絡してきな」

ってな感じになります。

でも、それは酒の席での話。実際連絡したら全く返事が来ないということなんかよくあることです。

めげずに頑張りましょう。

 

2ブッキングエージェントを探す。

agent

agent

 

海外ではローカルバンドがツアーを回るためのシステムがきっちりと整備されています。
海外ではツアーの売り上げの数%を支払うことを条件にライブのブッキングから宿や機材の手配までをまとめてお世話してくれるブッキングエージェントがいると思うので、手当たり次第に当たって行きましょう。こっちでいうイベンターのような存在ですね。

booking agency musicとかでググればいっぱい出てきます。ただ、日本語での情報は全くといっていいくらい無いので、どれがいいのか正直よくわからないと思います。まずは現地のファンや知り合い、ミュージシャンなんかにアプローチする方が近道かと思います。

ちなみに僕らの場合はFacebookの知り合いの外人に手当たり次第メールを送り、海外でツアーしたい旨を伝えた所、知り合いの知り合いがフランスでブッキングエージェンシーをやっていたので、割とトントン拍子にヨーロッパツアーの話が進みました。

これもぶっちゃけ運ですね。

 

3現地で出たとこ勝負

向こうのバーやパブではオープンマイクといって、飛び入り参加OKのライブイベントがあるのでそういうところでチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

バンドで演奏できるかはちょっと微妙です。ソロのシンガーやワンマンバンドとかなら割とライブできるんじゃないでしょうか。

飛び込みで日本からライブしに来たから今晩演奏させてくれってお願いすれば、いきなり演奏できるところもあるかもしれません。

また、一度現地に行ってしまえば何かしらのコネクションができて、次回以降のライブがブッキングしやすくなると思います。実際ツアー中にどこどこでライブしてくれとか、今度来る時は俺に連絡してくれと営業かけて来るブッカーとかにも出会います。

知り合いの中にもほぼノープランでヨーロッパへ行き、オープンマイクでライブしたり、なぜか向こうで大工の仕事をしたりして帰ってきた人もいます。

観光のついでくらいの感じで一回行ってみるのもありでしょう。

 

ブッキングのやり方はわかったけれど、費用は一体いくらかかるのか?正直、国やブッカーの腕次第でピンキリと思いますが、参考までに僕らのヨーロッパツアーの時にかかったの経費の内訳をザックリと紹介します。

 

海外ツアーの費用は?

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Cashというのがライブのギャラ。gas+feesがガソリン代と高速代、driverが運転手に払うお金(機材と車代込)。

実際はお客さんの入りで、支払われるギャラが増減することもあります。ざっと計算してもらえればすぐわかりますが、このままでは赤字です。なのでCDやTシャツといった物販を必死で売って何とか日銭を稼がなければいけません。幸いそこそこ物販は売れます。

時にはライブのギャラより物販の売り上げが多いこともあり、そんなときはもはやバンドマンではなくただのTシャツ屋さんです。なんかそんな名前のバンドがあったような気がしますが、ある意味それはバンドの本質をついたネーミングかもしれませんね。

あんまりバンド仲間でも細かいお金の話はしないので、これが多いのか少ないのかは知りません。この時お世話になったブッカーも今回は初めてなのでこんなもんだけど、次回はもっといい条件でブッキングできるとも言ってました。

次はこの辺のお金をもうちょっと細かく見ていくことにしましょう。

収益

1.ギャラ

我々はミュージシャンなので演奏したら演奏料がもらえます。これは海外では普通のこと。日本だと逆にチケットノルマとしてバンドが箱に払わないといけなかったりします。

金額は場所によりけりですが、一晩だいたい100~300ユーロ、ちょっと大きめなとこなら400ユーロとか。

さらにうれしいことに賄い飯付き、ビールはほぼ飲み放題。泊まるところも大抵無料という待遇でした。

バーやパブには日本のライブハウスのような照明やPA機器、防音工事の施されたステージはありません。なのでそこにかかる費用をかけていないので、ミュージシャンのギャラを払ったり、入場料を安くしてもなお店に利益が入るのです。ミュージシャン、お客さん、お店がwin-win-winで三方良しのシステムですね。

これはヨーロッパではわりと当たり前なようです。

 

2.物販

ギャラとは別にTシャツ、レコード、CD等の売り上げが加算されます。正直ライブのギャラだけじゃ費用をまかないきれませんので、物販の売り上げが死活問題となってきます。

これは完全に歩合制。人が多ければいっぱい売れるし、いいライブをした時はやっぱいっぱい売れる!

Tシャツは結構売れます。CDはあまり売れませんが、レコードの需要はまだまだありそうです。

 

支出

1.機材代

僕らの場合機材一式

  • ドラムセット一式
  • ギターアンプ×2
  • ベースアンプ
  • 機材車

さらに運転手も雇っていたので、何もせずとも毎日135ユーロがそれに消えて行きました。

 

2.交通費

さらにそれに加えて

  • ガソリン代
  • 高速料金等

が追加されます。

 

3.飛行機代

確かフランスまで往復で一人あたり8万ちょっとでした。

いくら歓迎してくれるとは言え、売れないバンドマンに飛行機代まで払ってくれることはなかなかありません。そこは大抵実費です。

とは言えLCCなんかも増えてきたので、ベラボーに高い訳でもありません。ちょっとくらい貯金しておきましょう。

トータル収支はマイナス飛行機代と数万円くらい。せっかく海外まで来たら色々とお金を使ってしまうものです。もっと切り詰めれば飛行機代くらいでいけたかなあって感じです。

あくまでこれは結果論。全然人も集まらず、お金ももらえず、金髪のモヒカンのパンクスと地獄のようなツアーを回る可能性だってありました。

他にも気になるところをいくつか見ていきましょう。

 

機材

バックライン

アンプやドラムセットなどライブに必要な機材をまとめてバックラインと呼んだりします。

日本の場合どんなライブハウスにも必ずアンプやドラムセットが用意されていますが、海外には置いてない事の方が多いです。

一緒に回ってくれるバンドがいれば同じ機材を使い回したりできますが、単独で回る場合はこちらで用意しなければなりません。

なので車も必須になってきますね。

 

電圧

電圧が違うので、日本のアダプターが使えなかったりもします。ギターのエフェクターは電池が無難です。

 

ギター

ギターは自分のものを使いたいけど、飛行機で持っていくのは少し不安がありますね。

ハードケースに入れていても、平気で荷物を放り投げられることもあります。

LCCなどでは規定の預入荷物のサイズにおさまらなかったりします。特にベース。サイズオーバーしないか事前に確認しましょう。

ジョイント式のネックならバラしてスーツケースに入れるか、物販などと一緒に向こうの知り合いやライブハウスに送ってしまうのもありでしょう。

 

食べ物は?

beer

ヨーロッパの箱は大抵ビール飲み放題でまかない付きでした。泊まるとこも誰かの家に止めてもらえます。ベジタリアンならその旨を伝えればキチンと対応してもらえると思われます。

日本食を食べれないのは覚悟しましょう。日本と同じような日本食を食べようと思ったらめちゃ高いです。

 

英語喋れないけど大丈夫?

英語は喋れたほうが絶対いいです。

まあ喋れなくてもなんとかなりますが、喋れるにこしたことはありません。

人生困ったことがあっても最終的にはなんとかなるさ、というマインドで生きていますが、大抵の場合何とかなった時というのは、自分の知らないところで誰かが頑張って何とかしてくれているのです。そんな人達への感謝の気持ちを忘れずにいましょう。

フランス南部とかは英語通じない人も結構います。それとかフランス人は喋れるけど喋らない人もいるとか言いますね。

時間があるなら勉強しましょう。

あえて断言しますが、英語が上手くなると楽器も上手くなります。

 

ビザは?

世界最強クラスの日本のパスポートがあれば、ほとんどの国は観光ならビザ無しで入国できます。

アメリカやオーストラリアではESTAや ETASといった電子渡航認証が必要なので注意しましょう。

基本ビザは観光ビザで問題ないと思います。まあ固い事を言うと、観光ビザやビザ無しで入国して現地でお金を稼ぐと、法律的にややこしいことになるかもしれないので、現地の人に確認するのが無難でしょう。

また、楽器を持って入国すると税関で質問されることがあるかもしれません。受付が金髪の綺麗なお姉さんだったりすると、オレ達は日本で売れっ子のロックバンドでこの国にライブツアーをしに来たんだ、と言いたくなる気持ちもわからなくもありません。

しかし、就労ビザも持たずにそんなことを言ってしまえば入国すらままなりません。あとで言い訳してもどうにもなりません。Facebookとか見られたらライブしに来たことなんてすぐバレます。

ちなみに楽器を持っていようが、友人のパーティで無償で演奏したり、現地でレコーディングしたりするのは問題ありませんよ。念のため。

 

外国人にモテるの?

モテる、かどうかわかりませんが、日本よりミュージシャンへの尊敬の眼差しが強い気がします。

でも英語ができないとロクに会話もできません。ああ、こんなことならもっと英語を勉強しておくべきだった、とならないように、やはり英語は勉強しておきましょう。

ツアー中は団体行動なので、チームワークが求められます。抜けがけして一人でおいしい思いをしようものなら、ライブ時になぜか一人だけみんなと違う曲順を教えられたり、ギターの弦の6弦から1弦が逆に張られていたり、ふと気づいたら靴下が全部右だけになっていたりするかもしれないので気をつけましょう。

 

ツアーの日常

ちょっと長くなったのでツアーの1日は別の記事にまとめましたので、そちらをご覧ください。

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それではこの辺で。

ご覧いただきありがとうございました。

 

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