ハンバーガー屋

ハンバーガー好きでもない店主がハンバーガー屋を開業した理由

 

こんにちは。

神戸元町/花隈の30日間毎日食べても飽きないハンバーガーのお店、Louie Louieの店主のケンです。

2015年9月、神戸でハンバーガー屋を開業しました。その経緯やかかった費用などの記録。小さな飲食店を開業したいなあと思ってる人の参考になればと思い、ペンを取りました。

 

ハンバーガー好きでもない店主がハンバーガー屋を開業した理由

普通は三度の飯よりハンバーガーが好き、ハンバーガー毎日食えるなら死んでもいい、みたいな人がハンバーガー屋を始めると思うのですが、僕の場合は物の弾みで店を始める事になったようなものなので、ハンバーガーは完全に後付けです。

なので、なんでハンバーガー屋を始めたのですか?と、聞かれた時に、期待を満たすような回答を持っていないこともわかっている上、一から話すと長くなるので、ふわふわした返事でごまかすと、なんか腑に落ちない顔をされて気まずい感じになります。

そんな気まずい思いをする人が一人でもこの世からいなくなるために、ちょっと長くなりますが、僕がハンバーガー屋を始めた経緯を話していこうかなと思います。

 

ことの始まり

クリスというカナダ人がやっているBee’s Knees Barというバーがモトコー(元町高架通商店街)にあった。

10坪ほどの小さい店内にはマニアックなロウブロウアートのポスターやおもちゃが所狭しと並べてあり、これまたマニアックなガレージやパンクの曲が流れる店。

そのバーの二階にある屋根裏部屋の様なところでは夜な夜なライブが行われていて、国内外問わず、主にアンダーグラウンドなガレージバンドが演奏していた。

僕のバンドDeadvikingsもそこでよくライブをしていて、僕はたまにそこで働いたりもしていて、まあ、ちょっとした音楽好きの溜まり場みたいな場所があったわけです。

ところがある日突然クリスはカナダに帰る事になって、Bee’s Knees Barを閉める事に。

当時定職にもつかずにフラフラしていた僕は、この場所が無くなるのは勿体無いという想いと、無くしてはいけないという使命感の様な気持ちからその場所を引き継ぐ事に決めたのです。まあ、見切り発車というやつですね。

店をやると決めたものの、自分で店を作ったことなんてないんで、どうすればいいかわからない。Bee’s Kneesの台所事情も大体知っていたし、普通にバーなんかやっても長続きしない事はわかりきってたので、まずは店の営業形態から考え直さなければ。

昼からランチ営業して夜はバー、時々ライブ。食べ物はライブを見ながら酒飲んで気軽に食べれる物がいい。

というわけで、たどり着いたのがハンバーガー

 

ハンバーガー屋で修行

飲食店の経験はあれど、ハンバーガーに関してはど素人。当時働いていたバイト先で僕の作るまかない料理のハンバーグはわりと高評価を得ていたので、それをバンズで挟んで食べてみた。

あれ、全然美味しくない。

ハンバーグとハンバーガーはまるきり別物。そんなことさえわからずにハンバーガー屋を始めてしまった。正確にはまだハンバーガー屋を始めることを始めた段階だが、これはまずい、とここから少し焦り出し、周辺のハンバーガー屋を食べ歩いたり、ネットであれこれ調べたりした。

正直一人であれこれ考えるのにも限界がある。ちょっとでいいから本格的なハンバーガー屋で働いてそのノウハウを吸収したいなあ、でも個人店でなかなかアルバイトなんか雇ってないし、最悪マクドでもいいかなあ、なんて思いながら街をうろついていると、偶然バイト募集している個人店を発見した。

当時六甲にあったBurger Pitという、これまたカナダ人オーナーのハンバーガー屋で働かせてもらう事になった。

面接の時も、ハンバーガー屋を近々始めるから、それまでの間ここで勉強させて欲しいと素直に言ったら雇ってくれた。しかも商売敵になるかもしれない僕に何から何まで親切に教えてくれたこと、今でも非常に感謝しております。

三ヶ月ほどの短い間このBurger Pitで働かせてもらったり、Bee’s Knees Barでライブイベントある時は、そこでハンバーガーを焼いたりして、少しずつ形になってきました。

 

DIYの店舗作り 

低予算なのでガス工事以外は業者を入れず、知り合いにほぼほぼ手伝ってもらいながら、何とか店らしいものをこしらえることが出来ました。

費用は多く見積もっても、合計で100万もかかっていないはず。

 

補助金の活用

ど素人の僕が店を始める事を決めた理由の一つが、神戸市が商店街活性化のため、新規出店者に補助金がもらえるというチャレンジショップという制度。それを利用することによって、神戸市から50万円くらいお金がもらえました。

わりと小さな個人事業主なんかをサポートする制度が、各自治体にあると思うので、なんか自分で店でもやりたいなあという人は、行政の補助金とか調べればいっぱい出てくるので利用できるものはどんどん使えばいいと思います。

 

内装工事

ちなみに店内の壁の色が派手な緑色なのは、ヨーロッパ4カ国をライブして回った時に訪れた、フランスのリールにあったモンクスカフェというところからパクりました。

そこでのライブ後に、出発する前にもう一度来るように言われて、(単に機材を置きっぱにしてただけかも)翌朝そのカフェに立ち寄ると、店主からハンバーガーをご馳走になったという思い出が。

その時食べたハンバーガーの味が忘れられなくて、ハンバーガー屋を始める事にしました…という事にしておけば、ちょっとした美談になるのかもしれませんが味なんか正直覚えていません。きっとすごく美味しかったことでしょう。

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屋号を決める

店を始めるには名前が必要。

Louie Louieという名前はキングスメンのバージョンで有名なガレージクラシックからとりました。

単純に響きと字ズラがいいなあというところ。あとは曲の雰囲気というか立ち位置がぴったりじゃないかと。

ポップでスタンダードな曲。スリーコードの、まあ割と誰でも演奏できるような簡単な曲で、しかもパンクやガレージバンドからソウルシンガーやメタルバンドにまで幅広い層にカバーされている曲。ラテンぽいニュアンスさえある、そんな曲。

Raptureってバンドがいて、そのバンドはパーティでLouie Louieをやるために始めたって何かのインタビューで読んだ。そんな曲。

一応船乗りの曲ってことでバンドでヨーロッパツアーの時よくアンコールで演奏したんですが、どこでやっても盛り上がりました。

まさに鉄板。

そう、、、鉄板

まあ、そんなこんなで万事うまくいったかに思えた矢先、ドロドロの立ち退き騒動に巻き込まれてしまうなんて、この時はまだ知るよしもなかった…。

それはまた、別の話。

 

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